映画『いのちの食べ方』 〜覚悟を決めて、感謝しつつ食べる
現在も公開中の映画『いのちの食べ方』。
なんともインパクトのあるタイトル。
これは自分の好みというよりは、
観なければ、知らなければならないだろうという思いで、
観に行ったのだった。
昨年11月に公開して、映画館で観たのは5月の連休。
多分、内容の輪郭がほんのり分かるからだったのだと思う。
真正面から見据える勇気というか、
現実を真っ向から知る気持ちができるのに
おそらく時間が必要だったのだ。
この映画は、ドキュメンタリー映画である。
私たちが毎日食べる食べ物、
穀物、野菜、果物、牛、豚、鳥、魚・・・
これらが、どこで生まれ、
どのように育てられ、
どういうふうに作られているのか、
ナレーションやテロップが入るわけでもなく、
ただただ現状を、生産現場を 淡々と映している映画だ。
こちらは、映画『いのちの食べ方』のチラシ。

原題:OUR DAILY BREAD(Unser täglich Brot)
2005年/オーストラリア/92分
狂牛病、鳥インフルエンザ、
「不二家」、「白い恋人」、「赤福」、「船場吉兆」と老舗の実情が表れ、
中国ギョーザの薬物混入のニュース、
最近話題の牛肉偽装問題。
食について、これらのニュースは、
数年前からのスローフード、エコ、有機栽培食品、ロハスが
おしゃれな一部の人々のものだった感を
一気に、スーパーで買い物をする普通の一般の人々の関わるところとなった。
おそらく皆、どこか頭の隅で感じていた事だったのだが、
日々の忙しさや、毎日がそれなりに健康であるために、
とりあえずいいっか、と仕舞い込んでいた疑問を
各々がきっちりと考えなければいけなくなった。
この食事は、果たして食べていいものなのか?
安全なのか?
映画『いのちの食べ方』は、その疑問には答えない。
大量生産するために、大型機械化された生産工場。
巨大なマジックハンドで揺る落とす果実。
畑には飛行機で上から何かをまいている。
ベルトコンベアーで運ばれ、ピッキングマシンのような機械で選別され飛ばされるヒヨコ。
わずか数秒で解体される魚。
屠殺される寸前の牛の横には、ぶら下がった牛肉が通る。
まかれる餌に顔面直撃される豚。
人口受精させられる牛、豚。
ほとんど身動きできない状態で並ぶ鶏。
そして、この生産を仕事とする人間。
この様子を 特別な音や字幕など全く入れず切り取っていく。
チラシ裏日頃テレビのナレーションやテロップのついたドキュメンタリーに慣れていると
今回、それらが全くないというは、こうも違うのかと感じた。
私のなかでは、ナレやテロップやSEや音楽というのは
強調する相乗効果のイメージがあったが、
緩和するということもあるのだ。
もしもこれに壮大な音楽などがついていたら
こうも強烈な印象が残らなかったのではないかと思う。
大勢の人々に食べ物を供給するために、大量生産される現場を
ただただ、ありのままを映し出す。
それは映画『モダンタイムス』のなかに出てくる工場のようであり、
手塚治虫のSF漫画の世界のようでもある。
想像をしていた光景ではあるが、実際の作業はさらりとこなされていく分、
こちらに伝わる空気はすさまじく、
屠畜のシーンなどは目を背けたくなる。
こうまでして、人は、私は、食べなければならないのか。
こうまでする必要があるのか。
しかし食べなければ、生きてはいけない。
仕方のないことなのか。
かわいそうだから鯨は食べるなというならば
こういう鶏、豚、牛はかわいそうではないのか。
何か他の手段はないのか。
様々な考えが浮かんでくる。
機械化された繰り返し作業は、
不思議と機械的な形式美と化して映る場面もあるくらいだ。
こうするしか、人は生きれないのか。
なんと業が深いのか。
しかし、これは日常なのだ。
この映画を観て、ヤダー食べれなぁい〜 などとは
口が裂けても言えない。
この機械化の大量生産の食物連鎖のなかに
自分も入っているからだ。
映画のなかはアングロサクソンの人々だからか、
一見、他人の芝生での物語に勘違いしてしまいがち。
だが自給率40%を切る日本に住んでいる私は、
60%は食品を輸入しているののだ。
しっかりとこの連鎖に組み込まれている。
(連鎖ではなく、止めているかもしれないが。)
これは忘れてはならないことだ。
私は生きている限り、この連鎖の中にあるのだ。
さぁ、どうする?
自分で疑問に答えを出すのだ。
・・・
まずは、いただく食べ物のいのちに感謝して
ありがたくいただく。
そして、ほんの少しでも自給に近づける。
我が家の狭いベランダ農も充実させよう。
・・・
常に進行形の今の答え。
現在も公開している映画館がいくつかある。
ぜひぜひ。
予告にもありますが、
学校でもテレビでも見られない!!
映画『いのちの食べ方』。
公式HPはこちら。
http://www.espace-sarou.co.jp/inochi/
G2008年7月3日
水無月一日
宇宙の月7日 黄色い律動の戦士 KIN136











