今回のオススメ映画は『
バーバー吉野』
笑いながらも、最後にはホロっとくる、暖かい作品です。
大ヒット作『
かもめ食堂』は、観た方も大好きだという方もたくさんいるでしょう。
主人公を演じる小林聡美さんが、
「Pasco」のCMでこの映画とコラボしたこともあり、
映画本編は観てなくても、雰囲気を味わっている方も多いかと思います。
もちろん、私も大好きな映画です。
『かもめ食堂』の監督である荻上直子監督の長編デビュー作が
この『
バーバー吉野』です。
ちなみに、監督の最新作は、
今月9月22日(土)から公開の『
めがね』です。
こちらも、すっごく楽しみ。
その町の少年は皆、同じ髪型をしていたというサブタイトルがついているように、
とある町の少年たちは皆同じ髪型をしている。
「吉野刈り」と呼ばれる独特なユーモラスな髪型だ。
少年たちは心のどこかでは、ヘンだよな・・・と思いつつも、
町のしきたりだから、伝統だから、みんなしているから、と
たいした疑問を持たず日々を元気に過ごしている。
ある日、東京から転校生がやってくる。
茶髪の男子だ。
カッコいい・・・オレたちだって!!
カッコよくなりたい少年たちの「脱・吉野刈り」の奮闘が始まる・・・
なんてことを書くと、少年たちの物語で子供向けのように聞こえるのですが、
このある町が、実に昔あったよね的な、
実際住んでいなくても、誰もの心の中にある原風景的な田舎町なのです。
山に囲まれ、田んぼがあり、菜の花や桜やクローバーが咲き、
川が流れ、、、という田舎町です。
いうなれば、「ふるさと」の歌詞「♪うさぎ追いしかの山、こぶな釣りしかの川〜♪」のような町です。
そこには少年たちだけでなく、当然大人も住んでいるわけで、
日本ならではのコミュニティーの姿も描かれています。
自分の子じゃなくても大人が子供を叱ったり、
おはようと声をかけたり、
町ぐるみで大人が子供を見守っている。
そんな中で少年たちは、夜暗くなるまで遊んだり、
自分たちだけの秘密基地を持っていたり、
となり町まで冒険に出かけたりします。
そういえば昔は町にひとりはいたよねという、
ちょっと頭の弱いヘンなおじさんから追いかけられたりもします。
そんなフツーの暮らしをしている、フツーの少年たちの前に
茶髪の男子が現れ、勇気を振り絞って大人たちに髪型の自由を訴えるとき、
伝統を重んじていた大人たちもまた変わっていくのです。
この町の少年たちが皆髪の毛を切っている床屋さんというのが
映画のタイトルにもなっている「バーバー吉野」。
「吉野刈り」という名はここからきている。
そして床屋さんのおばちゃんを演じているのは、もたいまさこさん。
もう、サイコーにステキなおばちゃんです。
おばちゃんのおじいちゃんの代から100年続く床屋さんは
少年たちの「吉野刈り」の伝統を守り続けている。
その伝統を守るおばちゃんは、
一見厳しくて怖いんだけど、本当はとっても優しいおばちゃん。
主人公の少年ケイタくんは、この吉野のおばちゃんの息子。
そのお父さんもやっぱり同じく吉野刈り。
演じるのは浅野和之さん。
いつもは気弱なんだけど、ここ一番で大事なことをちゃんと教えてくれる。
桜井センリさん演じる床屋の常連客のおじいちゃんも、
ちょっとした一言がとっても素敵。
とにかく、フツーなんだけれども、とってもステキなのです。
少年たちの行動に、あるある! あったあった!とツッコミを入れたり、笑ったり、、、
そうしているうちに、最後にはじんわりとあたたかくなる映画です。
これは、本当にオススメ。
全編を通してところどころに流れるクラシック音楽とのミスマッチも
またいいのです。
「ハレルヤ」がいいのです。
めっけものって感じの映画です。
しかし、あの髪型。「吉野刈り」。
大人になった私から見たら、なかなかカワイイと思うのだけど。
まぁでも実際自分が子供の頃、強制的にさせられたら、
やっぱり、イヤだろうなぁ。
G2007年9月3日(月)
文月廿二日
月の月12日 赤い月の空を歩く者 KIN92
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